ピエール・ルメートルの「僕が死んだあの森」を読み終える※ネタバレあり※

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「その女アレックス」で日本で人気作家の仲間入りしたフランス人作家ピエール・ルメートル。
僕が死んだあの森ってなんだか不気味なタイトルだけれども、森から必死に逃れようともがく青年の物語。

ネタバレあり


アントワーヌ・クルタンは12歳の少年。
村はずれになる森の中の秘密基地で彼に懐いていた6歳の少年レミを殺意はなかったが鬱陶しく感じて木で叩き殺してしまう。レミを大きな木の根元に隠し家に帰る。

村は大騒ぎで憲兵隊による村、森の捜索がはじまる。
帰宅して気が付いた時計がない事に。死体と共に時計が発見されたらお仕舞だ。
おびえるアントワーヌ。
多量の薬を飲んで意識朦朧とするアントワーヌを母は看病し医師を呼ぶが医師は何かあれば話してというがそれ以上強く質問することせず立ち去る。

3日後、村に暴風雨がやってくる。
荒れに荒れた天候で暴風、洪水による被害で村は壊滅状態。
レミ少年の捜索は中断され、村の復旧が最優先になる。

アントワーヌは24歳になり村をでて医師を目指している。
村とは距離を取るが実家の母からの連絡があり年に数度帰省している。
森は整備され遊園地が作られる。造成中に人骨が発見されレミ少年の物出るとDNA艦艇結果がでる。
人骨の側で毛髪も発見される。

クリスマスのミサに参加し、すぐにその場を立ち去ると少年の頃に恋心を抱いていたエミリーにであう。エミリーを彼女の実家まで送り届けて、少年時代に好きだった話をしていると、エミリーが急にキスをしてきた。最後までしてしまい彼女の中に果ててしまった。

大学に戻り生活をしているとエミリーが妊娠したと訪問してくる。
責任をとって結婚して。村の人間とかかわりを持ちたくないアントワーヌは結婚を拒否。
エミリーは誰とでも寝る女で私の子供ではないと主張するアントワーヌ。
彼女の父親と話をするために村へ戻るが、娘と結婚しないのであればDNA鑑定をして親子関係を証明すると言われてしまう。

DNAが鑑定されるとレミの人骨と一緒に発見された毛髪の結果と万に一つ関連付けられてしまったら、その関連について問われる。

レミ殺害との距離が縮まることを恐れるアントワーヌはエミリーと結婚する。
村の医師が引退することになり、その後を継ぐことになる。
彼の元に診察に来たコワルスキーという老人。彼はアントワーヌが少年時代に肉屋を経営していた。
レミ殺害の容疑者として拘留されていたこともあった。
「あの日森から飛び出してきた先生を見た」とコワルスキーは語り始める。
引退したて、ここを経ち小さな小屋に移り住もうと思うから、過去はもうどうでもよい。
あなたの母とドライブをした帰りだった。あれは大恋愛だった。何かあったんじゃないかと森に行ったが誰もいなかったと言い残し帰る。

翌日、小包が届き中にはあの日なくした時計が入っていた。


終わり。


アントワーヌはレミ殺害で逮捕はされなかったが、村から出る事はできなくなった。
母は息子が何をしたのか察してはいたけれども匿った。レミ殺害容疑で拘留されたコワルスキーも耐えた。アントワーヌの人生はレミを殺害した森で死んでいた。自分で捨てた人生だから同情の余地なしだい、多くの人に悲劇を被害を与えたのだから、小包をもって警察に出頭してして欲しい。
そこまでは描かれていないのだけれども、因果応報という言葉がぴったりの作品。
只々、レミ少年と家族が可哀そう。

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